イルデパンとは — 現地目線で伝える、島のこと

たった一つの島。ナンヨウスギの並木と青い海、ゆっくり流れる島時間 。

——ここが私の暮らす「イルデパン」です。

イルデパンの白砂とラグーン、穴の開いた木
カヌメラビーチの絶景

こんにちは、リナです。

はじめてこのページに来た方にもわかりやすく、イルデパンの自然・歴史・暮らし・行き方までを現地の目線で丁寧に紹介します。

忙しい日常の合間に、この島がどんな場所か「行きたい」「知りたい」と思ってもらえたら嬉しいです。

イルデパンとは?

イルデパン(フランス語:Île des Pins、現地名:Kunié)は南太平洋に浮かぶ小さな島で、ニューカレドニア諸島の一部です。

ニューカレドニアは、オーストラリアとニュージーランドのあいだ、フィジーやヴァヌアツの西側に広がる海域に位置しています。

イルデパンは、ニューカレドニア本島の南東、およそ100km。

手つかずのラグーンと白い砂浜、特徴的な高く伸びるナンヨウスギがつくるシルエットで知られ、ニューカレドニアを代表する美しい景観のひとつです。

島を囲むラグーンはニューカレドニアのラグーン群としてユネスコ世界遺産に登録され、海とサンゴの多様性が世界的に評価されています。

自然と見どころ— ここでしか出会えない風景と生きもの

ナンヨウスギ(学名:Araucaria columnaris
島の海岸線に立ち並ぶ、針葉樹の高く真っ直ぐなシルエットはイルデパンの象徴です。

海と緑のモノトーンではなく、ナンヨウスギの緑と海の青のコントラストが島の風景を作っています。

イルデパン固有種ナンヨウスギが美しく並ぶ
イルデパン固有種ナンヨウスギ

世界遺産に登録されたラグーン
白い砂・多様なサンゴ礁・浅瀬の透明な海が作る景観はもちろん、海の生態系そのものが特に価値あるものとして守られています。

海の色のグラデーションや、満ち引きで変わる自然の表情は何度見ても飽きません。

オウムガイ(Nautilus)を含む海の生きもの
ニューカレドニア周辺はオウムガイを含む希少な種の記録があり、深場や特定の海域で確認されています。

出会うことは稀ですが、海の長い時間の流れを感じさせる存在です。

ここにしかいない生き物・植物たち
島や周辺の小島には、固有のトカゲや植物、ユニークな海の生き物がいて、陸と海の両方で発見の喜びがあります。

写真好き・観察好きには宝庫のような場所です。

主なアクティビティ — ここでできる「体験」

イルデパンは「自然を体で感じる」ことが何よりの魅力。

ここでしかできない体験を中心に紹介します。

イルデパンの水中、ダイバーの姿
世界遺産の海でダイビング

スキューバダイビング
島の周囲にはバラエティに富んだダイブスポットがあり、初めての体験ダイビング〜上級者向けのポイントまで選べます。

海況や潮流、天候によって見られる生きものや透明度は変化するため、地元のダイブショップ(Kunie Scuba Center)と相談してベストな日に潜るのがおすすめです。

伝統帆掛け船(ピローグ)でのクルーズ
伝統的な帆のついた小さな船(ピローグ)で静かに湾を渡る時間は、島の文化を肌で感じる特別な体験です。

伝統帆掛け船ピローグの全景
ピローグツアー

シュノーケル
浅瀬でも魚やサンゴに手の届きそうな距離で出会えます。

家族連れやビギナーに嬉しいポイントが多いです。

散歩・のんびりリフレッシュ
白砂のビーチを歩く、木陰でゆっくり本を読む、マジックアワーの夕焼けを眺める

——「何もしない」を楽しむ時間も、ここでの大切な過ごし方です。

写真・自然観察
ナンヨウスギの緑と海の青のコントラスト、毎日変わるマジックアワーの夕焼け、夜空いっぱいの星

——どれもシャッターを押したくなる風景です。

文化と歴史 — Kunié(クニエ)という土地の人々

メラネシア系の人々が古くから暮らすこの島には、土地と海をつなぐ暮らしの知恵や、受け継がれる伝統が根付いています。

18世紀に欧州人が島を視認し、19世紀には宣教師や商人が訪れ、やがてフランスの影響が及んだことで島の歴史には複雑な足跡が残りました。

それでも住民は言葉や習慣を大切に守り続け、人口約2,000人のうち約94%がカナック(先住民)として暮らしています。

イルデパンの人々は温かな笑顔を絶やさず、島や海、日々の暮らしを心から愛しながら、自然と伝統を受け継いでいます。

実用情報 — 通貨・言葉・電源(プラグ)

旅行の際に役立つ、通貨・言葉・電源(プラグ)についての基本メモです。

特にイルデパンは小さな島なので、事前の準備が安心につながります。

  • 通貨:
    CFPフラン(通貨コード XPF、通称パシフィックフラン)が使われます。ヌメアの空港や街中ではクレジットカードやATMが使えますが、イルデパンでは現金の扱いが中心の場所もあります。島では小銭や小額紙幣が役に立ちます。
    → 出発前にある程度の現金を用意しておくと安心です。
  • 言葉:
    公用語はフランス語です。観光の場では英語が通じることもありますが、島の人々は普段からフランス語と現地語(クニエ)を日常的に使っています。
  • 簡単なフランス語の挨拶──Bonjour(ボンジュール=こんにちは)、Merci(メルシー=ありがとう)──を気軽に使うだけで、現地の人にすごく喜ばれます。発音が完璧でなくても大丈夫、心を込めて話せば伝わります。
  • 電源・プラグ:
    電圧は 220–240V / 50Hz。プラグ形状は主にフランス式の Type E(丸ピン+アースホール)、場合によって Type C が使われることがあります。
  • 時差:
    ニューカレドニア時間(NCT、UTC+11)、日本(JST・UTC+9)より2時間進んでいます。サマータイムはありません。
  • 国番号は +687

アクセス(日本からのルート・国内移動)

日本からヌメアへ

現在、日本からヌメア(La Tontouta)への定期直行便は運航されていません。

以前は日本〜ヌメアの直行便が存在しましたが、航空会社の路線見直しを受け、成田支店・日本支局の閉鎖や路線の一時停止が行われています。

具体的には、Aircalin は東京成田の支店を 2024年9月30日 に閉鎖し、日本支局を 2024年10月31日 に閉鎖すると発表しました。

日本からヌメアへ向かう場合の一般的な経由ルートは、シンガポール(SIN)、バンコク(BKK)、シドニー(SYD)です。

これらの都市からヌメア(La Tontouta)行きの便が運航・検索可能で、経由地として利用されることが多くなっています。

出発前に航空会社や旅行代理店、空港の公式情報で最新の運航状況をご確認ください。

ヌメア → イルデパン(国内移動)


ヌメア到着後は、国内線(Magenta空港発、Air Calédonie 等)でイルデパンの空港へ向かう方法、またはフェリー(Betico 等)を利用する方法があります。

どちらも季節・運航スケジュールで所要時間や便数が変わるため、出発前に公式サイトで最新の時刻と運航情報を確認してください。

保全について

この島の自然はとても繊細です。

私たちは日々、自然を守っています。

例えばゴミは必ず持ち帰り、サンゴに優しい日焼け止めを選ぶなど、身近なところから自然保護を心がけています。

訪れる皆さんにも、同じ気持ちで楽しんでいただけると嬉しいです。

イルデパンのラグーンとダイビングボート
世界自然遺産の海とダイビングボート

実用メモ(滞在前のチェック)

  • 日焼け止め、虫よけ(自然に優しいもの推奨)・帽子やサングラスを忘れずに。
  • 島の通信・電力は本島ほど安定していないことがあります。重要な連絡がある場合は事前に手配を。
  • 写真撮影では地元の方のプライバシーを尊重してください。

最後に

イルデパンは「静かな幸福」が自然にある場所です。

観光資源としての美しさだけでなく、ここで暮らす人たちの暮らしぶりや、海に対する敬意、子どもたちが自然と向き合う姿

——それらがこの島を特別にしています。

私はこの島が好きだからこそ、イルデパンという島があることを知ってほしい、そして興味を持ってもらいたいと思っています。

この記事があなたのイルデパンへの第一歩になればうれしいです。

イルデパン満天の星空
満天の星空

現地からの「静かな幸福を」映像と言葉で ——Lina